API駆動型MFT:開発者のためのセキュアな統合と自動化ガイド
現代のアプリケーションには、ビジネスワークフローとシームレスに統合できるプログラムによるファイル転送機能が求められています。Webインターフェースを使った手動のファイル転送では、毎日何千ものファイルを処理したり、システム間でデータを同期したり、コンプライアンスワークフローを自動化したりするエンタープライズアプリケーションには対応できません。
アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を活用することで、開発者はアプリケーションにセキュアなファイル転送機能を直接組み込み、システム間のデータ交換を自動化し、特定のビジネス要件に合わせたカスタムワークフローを構築できます。しかし、セキュアなファイル転送APIを実装するには、認証メカニズム、暗号化要件、エラーハンドリングパターン、コンプライアンス上の考慮事項を理解しておく必要があります。
本ガイドでは、開発者向けにAPIを通じてMFT機能を統合するための実践的なフレームワークを提供します。セキュアな認証の実装方法、プログラムによるファイル転送の処理、規制対応ワークフローの自動化、ビジネス運用を支えつつセキュリティを維持する堅牢な統合方法について学べます。
エグゼクティブサマリー
主なポイント:API駆動型MFTは、開発者がREST API、SDK、Webhookを活用して、ファイル転送をプログラムで実行し、ワークフローを自動化し、アプリケーションにファイル転送機能を統合できるようにします。
重要性:手動のファイル転送は、ビジネスの拡張性を制限するボトルネックとなり、データ品質の問題につながるヒューマンエラーを招き、自動化できる反復作業にスタッフの時間を費やす原因となります。API駆動型アプローチを採用することで、アプリケーションは数千のファイルを自動で転送し、ビジネスプロセスにシームレスに統合し、手動操作に依存せず一貫したセキュリティ制御を維持できます。API駆動型MFTを導入することで、運用コストの削減、データ精度の向上、ビジネスプロセスの加速を実現し、手動アプローチよりも強固なセキュリティ制御を維持できます。
主なポイント
1. REST APIは標準的なHTTPメソッドを利用してMFT機能へのプログラム的なアクセスを提供します。開発者はGETリクエストでファイルリストやメタデータの取得、POSTリクエストでアップロードや転送の開始、PUTリクエストで設定の更新、DELETEリクエストでファイルの削除など、Web開発でおなじみのパターンを用いて操作できます。
2. セキュアな認証によりAPIエンドポイントへの不正アクセスを防ぎます。組織はサーバー間連携にはAPIキー認証、ユーザー委任アクセスにはOAuth 2.0、高セキュリティ環境には証明書ベース認証、漏洩時のリスクを抑えるトークンローテーションポリシーなどを実装します。
3. 非同期処理により大容量ファイル転送時もアプリケーションスレッドをブロックしません。APIは転送開始直後にオペレーションIDを返し、アプリケーションはステータスエンドポイントのポーリングやWebhook通知で転送完了を把握でき、バックグラウンドで数GBのファイルを処理しつつ、レスポンシブなUIを実現します。
4. 包括的なエラーハンドリングにより信頼性の高いファイル転送自動化を実現します。開発者は一時的な障害に対する指数バックオフ付きリトライ、APIレスポンスの検証、レート制限の適切な処理、デバッグ用エラーログ、統合システム全体への障害波及を防ぐサーキットブレーカーなどを実装します。
5. Webhook通知によりリアルタイム統合のためのイベント駆動型アーキテクチャを実現します。MFTシステムはファイル到着や転送完了、エラー発生時にHTTPコールバックを送信し、アプリケーションはステータス更新のポーリング不要で即時対応でき、レイテンシとAPIリクエスト数を削減します。
API駆動型MFTアーキテクチャの理解
API駆動型MFTの実装は、機能性・セキュリティ・開発者体験のバランスを取ったアーキテクチャパターンに従います。これらのパターンを理解することで、効果的な統合設計が可能になります。
代表的なAPIアーキテクチャパターン
MFT APIは一般的にいくつかのアーキテクチャアプローチのいずれかを採用しており、それぞれ特徴と用途があります。
REST API
REST(Representational State Transfer)APIは標準的なHTTPメソッドとステータスコードを使用するため、Web開発者にとって親しみやすい設計です。MFT向けREST APIでは、以下のエンドポイントが一般的です:
- ファイル操作(アップロード、ダウンロード、削除、一覧)
- 転送管理(開始、監視、キャンセル)
- ユーザー・権限管理
- 設定・ポリシー管理
- 監査ログ取得
REST APIは、アプリケーションがレスポンスを待てる同期処理や、開発者がHTTPパターンに慣れている統合に適しています。
イベント通知用Webhook
Webhookは、アプリケーション側が更新をポーリングするのではなく、イベント発生時にMFTシステムから通知を受け取る仕組みです。主なWebhookイベントには以下があります:
- 監視対象の場所へのファイルアップロード
- 転送の正常完了
- エラー詳細付きの転送失敗
- ユーザー認証失敗
- ポリシー違反の検出
Webhookを利用することで、イベント発生からアプリケーションの対応までのレイテンシを短縮し、不要なAPIリクエストを削減できます。
SDK・ライブラリ統合
ソフトウェア開発キット(SDK)は、言語ごとのライブラリとしてAPI統合を簡素化します。SDKは認証、リクエスト整形、エラーハンドリング、リトライロジックなどを担い、開発者は低レベルのHTTP操作ではなくビジネスロジックに集中できます。
主なSDKの機能:
- シンプルな認証フロー
- 指数バックオフ付き自動リトライ
- 組み込みのエラーハンドリングとロギング
- 型安全なインターフェース(型付け言語の場合)
- コネクションプーリングやリソース管理
APIセキュリティの基本
セキュアなAPI統合には、さまざまな脅威に対する多層的な保護の実装が不可欠です。
認証と認可
APIは呼び出し元の本人確認(認証)と、どの操作を許可するか(認可)を行う必要があります。主なアプローチは以下の通りです:
| 認証方式 | 用途 | セキュリティ上の考慮点 |
|---|---|---|
| APIキー | サーバー間連携 | キーの安全な保管・定期ローテーション・HTTPS専用 |
| OAuth 2.0 | ユーザー委任アクセス | トークン有効期限・安全なトークン保管・スコープ検証 |
| 証明書ベース | 高セキュリティ環境 | 証明書ライフサイクル管理・証明書チェーン検証 |
| JWTトークン | マイクロサービスアーキテクチャ | 署名検証・クレーム検証・短い有効期限 |
組織は、ユーザーID、リソースの機密性、リクエストのコンテキストなど複数要素を評価する属性ベースアクセス制御を導入し、操作の許可前に厳格な審査を行うべきです。
通信のセキュリティ
すべてのAPI通信はTLS 1.3以上で転送時に暗号化する必要があります。これにより、認証情報・ファイル内容・メタデータが送信中に傍受されるリスクを防ぎます。
APIの推奨設定:
- TLS 1.3またはTLS 1.2以上を必須化
- 脆弱な暗号スイートの無効化
- モバイルアプリ向け証明書ピンニング
- 高セキュリティ統合には相互TLS(mTLS)を利用
入力値のバリデーション
APIはすべての入力値を検証し、インジェクション攻撃やバッファオーバーフローなどの悪用を防ぐ必要があります。主な検証項目:
- パストラバーサル攻撃を防ぐファイル名検証
- リソース枯渇を防ぐファイルサイズ制限
- 宣言されたタイプと一致するコンテンツタイプ検証
- 正しいフォーマットを保証するメタデータ検証
- 悪用防止のためのレート制限
セキュアなAPI統合の構築:ステップバイステップ実装
本セクションでは、MFT API統合を構築する開発者向けに詳細な実装ガイダンスを提供します。
ステップ1:セキュアな認証の実装
適切な認証により、APIエンドポイントを不正アクセスから保護し、正規の統合のみを許可します。
適切な認証方式の選択
統合要件に応じて認証方式を選択:
サーバー間連携向けAPIキー認証:
Authorization: Bearer
APIキーは特定ユーザーの代理で動作しないバックエンドサービスに適しています。キーは環境変数やシークレット管理システムに安全に保管し、ソースコードには絶対に含めないでください。
ユーザー委任向けOAuth 2.0:
Authorization: Bearer
OAuthにより、アプリケーションはユーザー認証情報を直接扱うことなく、認証済みユーザーの代理でMFTリソースにアクセスできます。トークンの安全な保管、リフレッシュトークンのローテーション、スコープ検証を適切に実装してください。
証明書ベース認証:
相互TLS認証は、X.509証明書でクライアントとサーバー双方を検証します。高セキュリティ環境に強力な認証を提供しますが、証明書管理インフラが必要です。
セキュアな認証情報の保管
認証情報はソースコードやバージョン管理された設定ファイルに保存せず、以下の安全な方法を利用してください:
- 開発・テスト環境では環境変数
- 本番環境ではシークレット管理サービス(AWS Secrets Manager、Azure Key Vault、HashiCorp Vaultなど)
- 暗号化された設定ファイルと適切な鍵管理
- 定期的な認証情報ローテーションポリシー
認証エラーのハンドリング
認証失敗時の適切なエラーハンドリングを実装:
def authenticate_api_client(api_key):
try:
response = requests.get(
'https://mft-api.example.com/auth/validate',
headers={'Authorization': f'Bearer {api_key}'},
timeout=10
)
if response.status_code == 401:
raise AuthenticationError('Invalid API key')
elif response.status_code == 403:
raise AuthorizationError('Insufficient permissions')
response.raise_for_status()
return response.json()
except requests.exceptions.Timeout:
raise APIConnectionError('Authentication timeout')
except requests.exceptions.RequestException as e:
raise APIError(f'Authentication failed: {str(e)}')
ステップ2:ファイルアップロード操作の実装
ファイルアップロードAPIにより、アプリケーションはMFTシステムへプログラムでファイル転送が可能になります。
基本的なファイルアップロード
マルチパートフォームデータを利用したファイルアップロードの実装:
def upload_file(file_path, destination_folder, api_key):
url = 'https://mft-api.example.com/files/upload'
with open(file_path, 'rb') as file:
files = {'file': file}
data = {
'destination': destination_folder,
'overwrite': 'false'
}
headers = {'Authorization': f'Bearer {api_key}'}
response = requests.post(
url,
files=files,
data=data,
headers=headers,
timeout=300
)
if response.status_code == 201:
return response.json()['file_id']
else:
handle_upload_error(response)
大容量ファイル向け分割アップロード
大容量ファイルはチャンク(分割)アップロードでネットワーク中断やタイムアウトに対応:
def chunked_upload(file_path, chunk_size=5*1024*1024):
# Initialize upload session
session_id = initialize_upload_session(file_path)
file_size = os.path.getsize(file_path)
chunks_uploaded = 0
with open(file_path, 'rb') as file:
while True:
chunk = file.read(chunk_size)
if not chunk:
break
# Upload chunk with retry logic
upload_chunk(session_id, chunk, chunks_uploaded)
chunks_uploaded += 1
# Calculate progress
progress = (chunks_uploaded * chunk_size) / file_size * 100
update_progress(progress)
# Finalize upload
return finalize_upload_session(session_id)
アップロード検証の実装
転送前後でアップロードを検証:
def validate_upload(file_path, remote_file_id):
# Calculate local file hash
local_hash = calculate_file_hash(file_path)
# Retrieve remote file metadata
remote_metadata = get_file_metadata(remote_file_id)
remote_hash = remote_metadata['hash']
# Verify integrity
if local_hash != remote_hash:
raise IntegrityError('File hash mismatch after upload')
return True
ステップ3:ファイルダウンロード操作の実装
ダウンロードAPIにより、アプリケーションはMFTシステムからプログラムでファイルを取得できます。
基本的なファイルダウンロード
大容量ファイルに対応したストリーミングダウンロードの実装:
def download_file(file_id, local_path, api_key):
url = f'https://mft-api.example.com/files/{file_id}/download'
headers = {'Authorization': f'Bearer {api_key}'}
with requests.get(url, headers=headers, stream=True, timeout=300) as response:
response.raise_for_status()
total_size = int(response.headers.get('content-length', 0))
downloaded = 0
with open(local_path, 'wb') as file:
for chunk in response.iter_content(chunk_size=8192):
file.write(chunk)
downloaded += len(chunk)
update_download_progress(downloaded, total_size)
# Verify download integrity
verify_file_integrity(file_id, local_path)
レジューム機能の実装
中断したダウンロードの再開に対応:
def download_with_resume(file_id, local_path, api_key):
# Check if partial download exists
start_byte = 0
if os.path.exists(local_path):
start_byte = os.path.getsize(local_path)
url = f'https://mft-api.example.com/files/{file_id}/download'
headers = {
'Authorization': f'Bearer {api_key}',
'Range': f'bytes={start_byte}-'
}
mode = 'ab' if start_byte > 0 else 'wb'
with requests.get(url, headers=headers, stream=True) as response:
with open(local_path, mode) as file:
for chunk in response.iter_content(chunk_size=8192):
file.write(chunk)
ステップ4:非同期転送ワークフローの実装
非同期パターンにより、アプリケーションは転送完了を待たずに処理を進められます。
非同期転送の開始
転送を開始し、オペレーションIDを取得:
def initiate_async_transfer(source_file, destination, api_key):
url = 'https://mft-api.example.com/transfers'
headers = {'Authorization': f'Bearer {api_key}'}
data = {
'source': source_file,
'destination': destination,
'notify_on_completion': True
}
response = requests.post(url, json=data, headers=headers)
response.raise_for_status()
return response.json()['transfer_id']
転送ステータスのポーリング
定期的に転送進捗を確認:
def poll_transfer_status(transfer_id, api_key, poll_interval=5):
url = f'https://mft-api.example.com/transfers/{transfer_id}/status'
headers = {'Authorization': f'Bearer {api_key}'}
while True:
response = requests.get(url, headers=headers)
response.raise_for_status()
status = response.json()
if status['state'] == 'completed':
return status
elif status['state'] == 'failed':
raise TransferError(status['error_message'])
time.sleep(poll_interval)
Webhook受信の実装
Webhook経由で完了通知を受信:
from flask import Flask, request, jsonify
app = Flask(__name__)
@app.route('/webhooks/transfer-complete', methods=['POST'])
def handle_transfer_complete():
# Verify webhook signature
if not verify_webhook_signature(request):
return jsonify({'error': 'Invalid signature'}), 401
payload = request.json
transfer_id = payload['transfer_id']
status = payload['status']
# Process completed transfer
process_transfer_completion(transfer_id, status)
return jsonify({'received': True}), 200
ステップ5:堅牢なエラーハンドリングの実装
本番環境の統合には、信頼性確保のため包括的なエラーハンドリングが必要です。
指数バックオフ付きリトライの実装
一時的な障害を自動リトライ:
import time
from functools import wraps
def retry_with_backoff(max_retries=3, base_delay=1):
def decorator(func):
@wraps(func)
def wrapper(*args, **kwargs):
retries = 0
while retries < max_retries:
try:
return func(*args, **kwargs)
except (ConnectionError, TimeoutError) as e:
retries += 1
if retries >= max_retries:
raise
delay = base_delay * (2 ** retries)
time.sleep(delay)
return wrapper
return decorator
@retry_with_backoff(max_retries=3)
def upload_file_with_retry(file_path, api_key):
return upload_file(file_path, api_key)
レート制限の処理
APIレート制限を順守し、サービス停止を回避:
def handle_rate_limit(response):
if response.status_code == 429:
retry_after = int(response.headers.get('Retry-After', 60))
time.sleep(retry_after)
return True
return False
def api_request_with_rate_limit(url, headers):
while True:
response = requests.get(url, headers=headers)
if handle_rate_limit(response):
continue
response.raise_for_status()
return response.json()
サーキットブレーカーパターンの実装
分散システムでの障害連鎖を防止:
class CircuitBreaker:
def __init__(self, failure_threshold=5, timeout=60):
self.failure_count = 0
self.failure_threshold = failure_threshold
self.timeout = timeout
self.last_failure_time = None
self.state = 'closed'
def call(self, func, *args, **kwargs):
if self.state == 'open':
if time.time() - self.last_failure_time > self.timeout:
self.state = 'half-open'
else:
raise CircuitBreakerOpen('Circuit breaker is open')
try:
result = func(*args, **kwargs)
self.on_success()
return result
except Exception as e:
self.on_failure()
raise
def on_success(self):
self.failure_count = 0
self.state = 'closed'
def on_failure(self):
self.failure_count += 1
self.last_failure_time = time.time()
if self.failure_count >= self.failure_threshold:
self.state = 'open'
ステップ6:包括的なロギングとモニタリングの実装
本番統合には、デバッグやコンプライアンスのための詳細なロギングが不可欠です。
API操作のロギング
トラブルシューティングのためにすべてのAPI操作を記録:
import logging
logging.basicConfig(level=logging.INFO)
logger = logging.getLogger(__name__)
def upload_file_with_logging(file_path, api_key):
logger.info(f'Starting file upload: {file_path}')
try:
file_id = upload_file(file_path, api_key)
logger.info(f'Upload completed: file_id={file_id}')
return file_id
except Exception as e:
logger.error(f'Upload failed: {str(e)}', exc_info=True)
raise
パフォーマンスモニタリングの実装
APIパフォーマンス指標を追跡:
import time
def monitor_api_performance(func):
@wraps(func)
def wrapper(*args, **kwargs):
start_time = time.time()
try:
result = func(*args, **kwargs)
duration = time.time() - start_time
log_performance_metric(
operation=func.__name__,
duration=duration,
status='success'
)
return result
except Exception as e:
duration = time.time() - start_time
log_performance_metric(
operation=func.__name__,
duration=duration,
status='error',
error=str(e)
)
raise
return wrapper
監査証跡の維持
コンプライアンス・セキュリティのために操作を記録:
def audit_log_transfer(transfer_id, operation, user, status):
audit_entry = {
'timestamp': datetime.utcnow().isoformat(),
'transfer_id': transfer_id,
'operation': operation,
'user': user,
'status': status,
'ip_address': get_client_ip()
}
# Write to centralized audit log
write_audit_log(audit_entry)
ステップ7:セキュリティベストプラクティスの実践
セキュアなAPI統合には、実装全体でセキュリティベストプラクティスの順守が必要です。
すべての入力値の検証
インジェクション攻撃を防ぐ入力値バリデーション:
import os
import re
def validate_file_path(file_path):
# Prevent path traversal
if '..' in file_path or file_path.startswith('/'):
raise ValidationError('Invalid file path')
# Validate file name
if not re.match(r'^[a-zA-Z0-9_-.]+$', os.path.basename(file_path)):
raise ValidationError('Invalid file name characters')
return True
リクエスト署名の実装
HMAC署名でリクエストの完全性を検証:
import hmac
import hashlib
def sign_request(payload, secret_key):
signature = hmac.new(
secret_key.encode(),
payload.encode(),
hashlib.sha256
).hexdigest()
return signature
def verify_request_signature(payload, signature, secret_key):
expected_signature = sign_request(payload, secret_key)
return hmac.compare_digest(signature, expected_signature)
レート制限の実装
APIの悪用を防止:
from collections import defaultdict
import time
class RateLimiter:
def __init__(self, max_requests=100, time_window=60):
self.max_requests = max_requests
self.time_window = time_window
self.requests = defaultdict(list)
def allow_request(self, client_id):
now = time.time()
# Remove old requests outside time window
self.requests[client_id] = [
req_time for req_time in self.requests[client_id]
if now - req_time < self.time_window
]
# Check if under limit
if len(self.requests[client_id]) < self.max_requests:
self.requests[client_id].append(now)
return True
return False
KiteworksによるセキュアなAPI駆動型MFTの実現
Kiteworksは、開発者がセキュアかつコンプライアンス対応のファイル転送統合を構築できる包括的なAPI機能を提供します。
完全な機能を備えたRESTful API
Kiteworksは、ファイルのアップロード・ダウンロード、転送管理、ユーザー管理、ポリシー設定、監査ログ取得など、すべてのMFT操作に対応したREST APIを提供しています。APIはRESTのベストプラクティスに従い、一貫したエンドポイント構造、標準的なHTTPメソッドとステータスコード、包括的なエラーレスポンスを備えています。
多様な認証オプション
Kiteworksプライベートデータネットワーク(セキュアMFTを含む)は、サーバー間連携向けAPIキー、ユーザー委任アクセス向けOAuth 2.0、高セキュリティ環境向け証明書ベース認証など柔軟な認証方式に対応しています。組織は自社のセキュリティ要件や統合パターンに応じて適切な認証方式を選択できます。
SDKサポート
Kiteworksは複数のプログラミング言語向けSDKを提供しており、認証・リトライロジック・エラーハンドリング・リクエスト整形などを自動化し、開発者は低レベルのAPI実装ではなくビジネスロジックに集中できます。
Webhookサポート
プラットフォームにはWebhook機能が組み込まれており、イベント発生時にアプリケーションへ通知し、イベント駆動型アーキテクチャを実現します。WebhookによりレイテンシやAPIリクエスト数を削減し、ビジネスアプリケーションとのリアルタイム統合が可能です。
包括的なセキュリティ
Kiteworks APIは、TLS暗号化、入力値バリデーション、レート制限、包括的な監査ログなど、セキュリティベストプラクティスを実装しています。APIセキュリティはプラットフォーム全体のゼロトラストアーキテクチャと統合され、すべてのアクセス手段で一貫した保護を提供します。
セキュアなMFT API統合の詳細については、カスタムデモを今すぐご予約ください。
よくあるご質問
医療アプリ開発者は、すべてのAPI通信にTLS 1.3暗号化を使用し、OAuth 2.0トークンまたは安全に保管されたAPIキーで認証し、アップロード前にファイルが必要最小限のPHIのみを含むことを検証し、PHIを露出しないセキュアなロギングを伴う包括的なエラーハンドリングを実装し、すべての転送操作を記録する詳細な監査ログを維持することで、HIPAA準拠のAPIファイル転送を実現できます。MFT APIはアップロードファイルへの自動暗号化適用、アクセス制御による取得者の制限、HIPAA要件を満たす監査証跡の生成を設定してください。パストラバーサル攻撃を防ぐ入力値検証や、一時的な障害時の指数バックオフ付きリトライも実装しましょう。転送完了通知にはポーリングではなくWebhookを利用し、APIリクエストを削減しつつリアルタイム統合を維持します。
金融サービス開発者が夜間バッチ転送用のサーバー間API統合を構築する場合、APIキー認証を実装し、キーは設定ファイルではなくAWS Secrets ManagerやAzure Key Vaultなどのシークレット管理サービスに保管してください。漏洩リスクを抑えるため、90日ごとの自動キー更新を設定しましょう。機密性の高い金融データを扱う最高レベルのセキュリティ環境では、証明書ベースの相互TLS認証を実装してください。APIキーだけでなく、送信元IPアドレス、時間帯、データ分類なども検証する属性ベースアクセス制御を導入し、転送前に厳格な認可を行いましょう。すべての認証試行・転送操作・APIエラーを包括的にロギングし、セキュリティ監視やコンプライアンス監査に活用してください。APIキーはアプリケーションコードと分離し、環境変数やシークレット管理で保管し、バージョン管理には絶対にコミットしないでください。
開発者は、リトライすべき一時的な障害(ネットワークタイムアウト、HTTP 503 Service Unavailable、接続エラー)と、リトライ不要な恒久的障害(HTTP 401 Unauthorized、400 Bad Request、ファイル未検出)を区別してリトライロジックを実装しましょう。指数バックオフは短い遅延(1~2秒)から開始し、リトライごとに遅延を倍増させ、最大遅延(60~120秒)まで拡大します。無限ループを防ぐためリトライ回数は3~5回程度に制限してください。複数クライアントの同時リトライによるスパイクを防ぐため、遅延にランダムなジッターを加えましょう。すべてのリトライ試行はタイムスタンプ・エラー詳細・リトライ回数とともにロギングし、トラブルシューティングに役立てます。繰り返し失敗時にはサーキットブレーカーパターンを実装し、リソース枯渇を防止します。リトライ中の積極的なポーリングではなく、転送完了通知にはWebhookを活用しましょう。
Webhook通知を受信する際は、正規のMFTシステムからのリクエストであることを確認するためHMAC署名検証を実装し、Webhookペイロードの構造や必須フィールドを処理前に検証してください。リプレイ攻撃防止のため、タイムスタンプの新鮮さやWebhook IDの重複チェックも行いましょう。Webhook受信エンドポイントは、既知のMFTシステムIPアドレスからのみ接続を許可し、すべてHTTPSで暗号化してください。過剰なWebhook呼び出しによる悪用を防ぐレート制限も実装しましょう。Webhookシークレットキーはアプリケーションコードと分離して安全に保管し、すべてのWebhook受信・署名検証結果をセキュリティ監視用にロギングします。Webhookの冪等性処理も実装し、重複通知による二重処理を防止します。MFTシステムが失敗時に再送できるよう、適切なHTTPステータスコード(成功時200、エラー時4xx/5xx)を返却し、ゼロトラスト原則を徹底してください。
マルチテナントSaaSアプリの開発者は、顧客ごとに個別のAPIキーやOAuthスコープを発行し、すべてのAPIリクエストにテナント識別子を含めて毎回検証し、データベースでは行レベルセキュリティでテナント間アクセスを防止し、ストレージもテナントごとに分離してアクセス制御を徹底し、監査ログもテナント単位で生成・維持することで、テナント分離を実現できます。MFT APIはすべてのリクエストでテナントコンテキストを検証し、他テナントのデータアクセスを防止してください。監査ログにはテナントID、ユーザーID、操作内容、タイムスタンプを記録しましょう。Webhook通知もテナントごとにフィルタリングし、アプリケーション側で関連イベントのみを処理します。データモデルは最初からマルチテナンシー対応で設計し、後から分離を追加するのは避けてください。最高レベルのセキュリティが求められる顧客には、MFTインスタンスや環境自体を分離することも検討しましょう。
追加リソース
- ブリーフ
Kiteworks MFT:最新かつ最もセキュアなマネージドファイル転送ソリューションが必要なときに - ブログ記事
マネージドファイル転送がFTPより優れている6つの理由 - ブログ記事
マネージドファイル転送の役割を現代エンタープライズで再定義 - 動画
最新マネージドファイル転送の主な機能チェックリスト - ブログ記事
クラウド vs. オンプレミスのマネージドファイル転送:最適な導入形態は?