欧州連合で事業を展開する金融サービス組織は、デジタル・オペレーショナル・レジリエンス法(DORA)のコンプライアンスプロセスにおける重要な要素である情報通信技術(ICT)リスクを低減する必要があります。ICTリスクを低減し、DORAコンプライアンスプロセスを加速するためのベストプラクティスは以下の通りです。

1. DORA要件の理解

ICTリスク管理要件を十分に理解できるまで確認しましょう。欧州銀行監督機構(EBA)などの関連規制当局が提供する規則、ガイドライン、指令を学びましょう。

2. リスク評価の実施

ICTシステムおよび運用に対して包括的なリスク評価を実施し、潜在的な脆弱性、脅威、影響を特定します。リスク評価は、サイバーセキュリティ、データ保護、オペレーショナルレジリエンス、サービス継続性などの分野をカバーする必要があります。

3. リスク管理フレームワークの策定

自社のICT環境やビジネス目標に合わせた堅牢なリスク管理フレームワークを構築します。これらのフレームワークには、ICTリスクの特定、評価、低減、監視を効果的に行うためのポリシー、手順、管理策が含まれている必要があります。

4. コントロールとセーフガードの導入

特定されたICTリスクを低減するために、適切なコントロールやセーフガードを導入します。コントロールやセーフガードには、サイバーセキュリティ対策、アクセス制御暗号化メカニズム、インシデント対応手順、事業継続計画などが含まれます。

5. サイバーセキュリティ対策の強化

マルウェア攻撃フィッシング攻撃、ランサムウェア攻撃、インサイダー脅威など、サイバーセキュリティ関連リスクへの防御策を実施します。対策には多要素認証(MFA)、ネットワークセグメンテーション、侵入検知・防止システム(IDPS)、セキュリティ意識向上トレーニングなどが含まれます。

6. データ保護およびプライバシーコンプライアンスの確保

DORAや、GDPR2018年データ保護法ドイツ連邦データ保護法(BDSG)などの関連規制で定められたデータプライバシー要件にデータ保護の取り組みを合わせます。適切なデータ保護対策を実施し、プライバシー影響評価を行い、個人識別情報 / 保護対象保健情報の適法な処理を徹底します。

7. インシデント対応能力の確立

ICTインシデントや障害を効果的に検知・対応・復旧するための堅牢なインシデント対応能力を構築します。インシデント対応チームの編成、エスカレーション手順の策定、定期的なインシデント対応訓練やシミュレーションの実施も含まれます。

8. コンプライアンスの監視と報告

ICTリスク管理活動を継続的に監視し、DORA要件への継続的なコンプライアンスを確保します。必要に応じて、ICTリスク関連の課題を経営層、規制当局、その他ステークホルダーに報告する仕組みを整備します。

9. 規制当局との対話

DORA要件や期待事項との整合性を確保するため、関連する規制コンプライアンス当局との対話や連携を積極的に行います。業界フォーラムやワーキンググループ、協議会などに参加し、規制動向やベストプラクティスの最新情報を入手しましょう。

10. 継続的な改善の推進

最後に、発生する脅威やインシデントから得られた教訓、規制環境の変化を踏まえ、ポリシー・手順・管理策を定期的に見直し・強化することで、ICTリスク管理における継続的な改善文化を醸成しましょう。

DORAコンプライアンスについて詳しく知る

ICTリスク低減のためのDORAコンプライアンスについて詳しく知りたい方は、DORAコンプライアンスを証明する方法:ICTリスク低減のためのベストプラクティスチェックリストをご覧ください。

また、KiteworksによるDORAコンプライアンスについて詳しく知りたい方は、EU金融機関向け:DORAコンプライアンスでセキュリティとレジリエンスを強化もぜひご覧ください。

 

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